パン屋さんと聞くとどんなイメージがありますか?
お店の近くを通るといい香りがする。
たくさんのパンを選ぶ時にワクワクする。
「パン職人になってみたい」という方もいるのではないでしょうか?
そこでこの記事では、パン屋さんで実際に10年間働いている私が「パン職人の仕事内容とそのやりがい」についてご紹介します。
これをきっかけに「パンを作る人」にも興味を持ってもらえると嬉しいです。
この記事を書いたのは40代前半の男性パン職人、Kさんです。
もくじ
パン職人の仕事内容は?
担当が決まっている
パン屋さんの多くは、担当する作業を4つのポジションに分けます。
店舗によって名称は微妙に異なりますが私が働く店舗では以下の担当があります。
・仕込み(ミキサー)・・・その名の通り生地を仕込む仕事です。
・成形(麺台)・・・仕込みが作った生地を切りわけて、パンの形を作る仕事です。
・パイルーム(シーター)・・・クロワッサンやパイがある店舗では生地をのばしたり 形を作るまでを担当します。
・焼成(窯・オーブン)・・・パンを焼くまでの工程全般を担当します。
パンに卵をぬる作業や、焼く前に何かトッピングをするのも窯の人の仕事です。
一人で複数の担当を受け持つことも
お店にもよりますが、大抵は一人が複数のポジションを担うことが多いです。
例えば生地を仕込む人はミキサーを回している間に麺台の人と一緒にパンを成形する。といった具合です。
小さな個人店では仕込みからパンの焼き上げ、販売までを一人でこなすこともありとても大変です。
重労働もあり
まずは小麦粉。業務用は一袋(「ひとふくろ」ではなく「いったい」と読みます。)で25Kgもありますが、運べないと仕事が始まりません。
大きいお店では小麦粉一袋をそのまま回せるようなミキサーもあるので、出来上がりの生地が50kgを超えるようなこともよくあります。
毎日何度も重いものを運ぶためパン職人は腰や肩や膝が悪いという人も多いのです。
また、オーブンでは火傷はつきものですし、窯の温度が高いため一瞬かすっただけでも長く跡が残るようなことになります。
お店でパン職人さんの腕が見えるような機会があれば、よく見ると火傷の跡が見えるかもしれません。
パン職人は生地を作る仕事が7割
パン作りにおいて一番大切なのは「パン生地を作る工程」と言われています。
機械で混ぜるだけでしょ?と思われそうですが、粉の温度・室温・湿度・水温などいろんな要素を考慮して生地を仕込んでいくとても難しい作業です。
パン職人のやりがいは何?
パンは時間のかかる仕事
パンは完成までにとても時間がかかります。
当日中に作る一番オーソドックスな製法のフランスパンでは、生地を仕込み始めてから焼き上がるまでに6時間程度かかります。
その合間でもう少し時間の短い製法の食パンや菓子パン・惣菜パンといったものをどんどん作っていきます。
段取りが勝負の決め手
パン屋さんの多くは、少しでも効率よく作業をしていくために、とても綿密に作業時間を組み合わせていきます。
特にオーブンは分刻みのスケジュールでパンを焼き続けていきます。
その段取りが一つ狂ってしまうと焼き上がりが遅れたり、品質の悪いパンができるので「予定通りの作業」ができていいパンが焼き上がった時はとても達成感があります。
パンには欠かせないものとは?
「パンは生き物」と言われるのを聞いたことはありますか?酵母(イースト)という微生物の力を借りて作られるのでそう呼ばれています。
そのため毎回のように出来上がりに差ができるのがパン作りの難しくも面白い所です。
そこをいかにコントロールしておいしいパンを作ることができるのか。これが一番のやりがいです。
食べてくれる人がいてこそ
納得のパンが焼き上がった時に食べてくれたお客様や家族・友人から「おいしい!」の声を聞ける時が一番嬉しいですね(^^)
長い時間をかけて作っているのでより一層むくわれるものです。
パン屋さんは辛いことも多いけどやりがいのある仕事
パン屋さんは朝が早く仕事時間も長く重労働で、決して楽な仕事ではありませんが、おいしいものを作って誰かを笑顔にできる。
そんな素敵なお仕事です。
これからパン職人を目指す人やパン好きな方は、一度じっくりとお店の厨房を覗いて見るのも楽しいと思いますよ(^^)