お気に入りのパン屋さんや漫画やアニメの影響で、パン屋さんで働いてみたいという人もいると思います。
そこでこの記事では「パン職人に向いている人と向いていない人の特徴」をご紹介。
異業種からパン職人に転職した私の体験を交えてお伝えするので、ぜひチェックしてください。
この記事を書いたのは40代前半の男性パン職人、Kさんです。
もくじ
パン職人に向いている人の特徴
早起きが得意な人
パン屋さんはほとんどの店が早朝スタートです。
早いところでは1時から仕込みをするお店もあるので、日ごろから早寝早起きしている人は適性があると言えます。
体力のある人
パン屋さんはかなりの重労働。
例えば、業務用の小麦粉一袋(「いったい」と読みます)が25kgあります。
店舗の規模によっては粉を一袋まるごとミキサーで回すような所もあります。
他にもオーブンで使う鉄板など、比較的力仕事が多いのが特徴です。
パン職人は繊細なイメージがあるかもしれませんが、体力・腕力に自信のある方にも向いていると言えます。
繊細な人
小麦粉・パン酵母と自然の力を借りて作るパンは、原材料の状態も毎日一定とは限りません。
気温や湿度によって、状態が大きく変わるんですね。
見た目や手触りを確認して生地の変化を察知して、最良のアプローチをしていくことになります。
日頃から小さな変化を感じ取れる人、いわゆる繊細な人はパン職人に向いていますよ。
効率化するのが好きな人
一人で作る場合でも複数人で作る場合でも、パン作りにとって段取りは非常に重要です。
主な作業は生地を仕込むこと・パンの形を作ること(成形と言います)・焼くこと。
単純そうですが、この三つの作業が分刻みで構成されていて、連携がうまくいかないとパンが膨らみすぎたり、焼きすぎてしまったり、予定時間に焼き上がらなくなるなど様々な弊害が出てきます。
家事を効率よくこなすのが好きな人や、料理をしながら洗い物・配膳など複数の作業をうまくこなせるような人は適性が高いです。
地味な作業が好きな人
パン職人の仕事はあまり派手な作業はなく、どちらかと言えば毎日同じことを淡々と繰り返します。
たとえ少しでもパンの変化を見るのがこの仕事の魅力ですが、地味な作業でも楽しめるような人には向いていますよ。
パン職人に向いていない人の特徴
大雑把な人
パンは生き物で、酵母の力を借りて膨らんでいきます。
特にオーブンに入る前には大きく膨らんでいて非常に繊細な状態になっています。
少しの衝撃で生地は潰れてしまいますが、経験者でも扱いが雑で窯入れ前に生地をダメにしてしまう人をたまに見かけます。
逆に、繊細な人の方が向いていると言えますね。
食べることに興味がない人
せっかくパンを作る仕事をしているのに「あんまりパンは食べない」とか「実はそんなにパンは好きではない」という人がたまにいます。
私の知る限りでは、腕の良いパン職人にはそんな人はいません。
毎日パンを食べる必要はありませんが、パンに関わることが好きということは大事です。
考えて仕事に取り組めない人
パン職人に限ったことではないと思いますが、ある程度作業としてできるようになると、それ以降は自分で考えながら取り組むことになります。
「生地の状態がいつもと違う場合にどう対処するのか」「どんな焼き方をすればより美味しくなるのか」など、多くのイレギュラーに対して、自分なりに対応する場面が多くなります。
自分で考えて何かをするよりも、指示された作業をすることが得意な場合には、同じパン作りでも工場のようなライン仕事のパン作りが向いているかもしれません。
仕事がある程度できるようになっても、パンを作ることが楽しく感じられずにやめてしまう人もいます。
パンを好きな気持ちを仕事にも活かす気持ちが大事です。
30歳でパン職人に転職した私の経験談
転職当初は「未経験だしすぐ辞めるだろう」「しんどいし無理だ」など
不採用になったお店の面接や、採用されて初めて働いたお店でもよく言われました。
私は負けず嫌いな性格のため「絶対見返してやる」と思いながら気づけば10年が経ちすっかりパン職人になりました。
私はとても不器用なタイプで、今でも苦手な作業はたくさんあります。
それでも、某国内有名店の製造統括者なども経験しましたし、何歳からでも遅くはないと思いますよ。
まとめ
この記事では「パン職人に向いている人と向いていない人の特徴」をご紹介しました。
パン職人の仕事は決して楽ではありませんが、それはパン職人に限ったことではありません。
でも、「パン屋さんに憧れているけど勇気が出ない」とか「もう歳だし今更…」という理由で諦めるのはもったいないですよ。
未経験かつ不器用でも、30歳でパン職人になれた私のような人間もいますので、パン職人に興味がある方はぜひチャレンジしていただければと思います。